イップス研究報告⑤

イップス治療方針

 関節の軸の運動を歯車に例えるなら、投げる・打つという運動は体幹の大きな歯車の動きに伴って肩甲骨や股関節が動き出し最後に末端の歯車に力が伝わります。正しい運動は、体幹や股関節始動で行われます。イップスの選手は、手先に意識が行き過ぎてしまいます。手先始動では、運動動作は上手く行きません。これは、ダーツや弓道でも同じです。ダーツや弓道では、体幹や股関節は動いてないように見えますが体幹と股関節を使って、しっかり軸として機能させなけらば上手く行ません。

イップス治療 イップス克服 イップス改善 イップス病院

 イップスになる前は無かったスイッチがイップスになった途端現れます。プレッシャーのかかる状況になった時、スイッチはONになる。またはスイッチが常にONのままの選手もいます。イップスのスイッチが入ると体幹の歯車の動きに対して肩関節や手関節などの歯車が凍りつき動きにくくなったり、逆方向に動こうとしたりして体幹の歯車に沿った動きをしてくれません。

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 当院のイップス治療では心・技・体の3つにアプローチして行きます。心は、イップスのスイッチをOFFの状態にしていきます。技は、体幹・股関節始動で他の関節が体幹や股関節の流れに沿った動きが出来るように運動を再構築していきます。体は、骨盤・背骨を矯正しズレや歪みを取り神経の流れを正常にする。骨盤や背骨が正しい位置に戻ると椎骨と椎骨の間にある椎間板がしっかり機能しバランスの良い軸を作ってくれます。

正しい椎間板の機能

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 スポーツにおけるバランスの良い安定した体幹とは力が釣り合っている状態であって、体幹の静止や固定ではありません。強く固めるような体幹は、実際に投げる・打つといった動作の時に十分に機能してくれません。椎間板の機能をフルに発揮させどんな状況でも瞬時にバランスの取れる安定した軸を作って行くことが大切です。それは、体幹軸の動きに足や腕の動きが影響を受けるからです。大きな歯車の動きに小さな歯車の動きを合わせた方が動きがスムーズですし動きの誤差が少なくなります。イップスの改善で大切なことの1つとして運動動作の再現性を高めることがあります。毎回同じ動きが出来ると思えることが安心感になり自信に繋げてくれます。やみくもに練習を繰り返しても間違った運動パターンが脳にインプットされるだけです。それに間違った運動は、故障に繋がります。間違った動きを続けると歯車の歯が欠けてしまいます。イップスになったら一度冷静になり自分自身としっかり向き合い何をすべきか真剣に考えることが必要です。

 

2018年12月07日