イップス研究報告③

当院の技術的な考え①

 イップスの特徴の一つとして簡単なプレーほど症状が出やすく、難しいプレーの時は症状が出にくいと言われることがあります。一般的な説明では、イップスは意識が介入するほど起こりやすく、難しいプレーでは考える間がないので意識の介入がなくイップスは起こりにくいと言われています。本当にそれだけでしょうか?そのことについて考えてみます。

イップス治療 イップス克服 イップス改善 イップス病院

 正常な人(イップスでない選手)の体の軸。軸がしっかりと安定しているので体重移動がしやすく回転力も強い。軸の回転に伴って腕が振れる。

 

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 イップスの選手の体は、軸がブレ不安定。軸がブレていると体重移動が上手く行かず早い段階から前方に体重が移動してしまい腕だけ後方に残される。残された腕をどうにか前に出そうとして体は早く開こうとする。(力が入って上手くトップの位置に腕を持って行けなかった場合)その結果、体幹と腕の振りのタイミングが合わず小手先に力を入れ投げるか、タイミングが合っていないことを察知し手は脱力してしまう。

 

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 イップスで体の軸がブレている選手が難しいプレーでバランスを崩したとします。

 

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 バランスを崩したことを察知した脳は、反射的に体を立て直そうとします。このとき体の軸が安定して結果的に腕が上手く振れる。

◎三半規管がバランスを崩したことを察知した時、無意識に体の立て直そうとして結果的に軸が安定する。野球に限らず、他の競技でも同じだと思います。サッカーならPKのキック。誰にも邪魔されず自分のタイミングで蹴れて簡単に思えますがサッカーの中では一番イップスの症状が出やすいと思います。逆に相手の選手と競り合ってどうにか蹴るような時は、イップスの症状は出にくいのです。ゴルフなら近距離のパット。簡単に思えますがイップスの症状は出やすいのです。バンカーからのアプローチなどは意外と楽に打てることが多いと思います。             

 一般的にイップスは精神的なものが原因で起こる運動障害と言いますが、それだけでは、説明がつかない事がいろいろとあります。

 緊張する場面で出やすく、緊張しない場面では出にくい。出る動きがある程度決まっていて、他の動きの時は出にくい。出やすい力加減、出にくい力加減がある。出やすい距離、出にくい距離がある。

 イップスを治す為のヒントは、体が記してくれています。体が教えてくれている事を正確に読み取り対処する事が大切です。 

 

2018年11月02日