イップス研究報告⑧

防衛本能とイップス② *すくみ(恐怖)反応 ・身構える・防御勢・恐怖に怯える

 イップスは、いつ起きるのか?ある研究機関の実験を引用させて頂きます。恐怖条件づけ・すくみ(恐怖)反応の実験結果です。マウスに対してブザー音の後に電気ショックを行った。これを何度か繰り返すとマウスはブザー音が聞こえたら、すくみ(恐怖)反応を示すようになる。恐怖条件づけ、すくみ(恐怖)反応の強さは繰り返すたびに増加する。これは、ブザー音の後に電気ショックが来るということを予測し身構え防御態勢をとっていることの表れです。恐怖条件づけ、すくみ(恐怖)反応は魚類、マウス、人間といった多くの生物で認められる普遍的な現象のようです。

問診

 右バッターの時だけイップスが起こるピッチャー。バント処理などでファーストに送球する時だけイップスが起こるピッチャー。バント処理などでサードに送球する時だけイップスが起こるピッチャー。ピッチャーに返球する時だけイップスが起こるキャッチャー。サーブの時だけイップスが起こる卓球選手。パターの時だけイップスが起こるゴルファー。PKの時だけイップスの起こるサッカー選手。ボールは投げられるがダーツが投げられないダーツの選手。練習では起こらず試合の時だけイップスの起こる選手。怖い先輩相手の時だけイップスが起こる選手。監督・コーチに見られている時だけイップスが起こる選手。

 その行為だけ恐怖条件づけされていて、すくみ(恐怖)反応が起こるのかも知れません。行為そのものがブザーの役割をしているのです。送球全般でイップスが起こる選手は、送球そのものが恐怖条件づけられています。素振りは出来るがボールを打とうとするとイップスが起こるゴルファーも同じです。

 

問診

 右バッターの時だけブザーが鳴りイップスのスイッチがNOになるピッチャー。バント処理などでファーストに送球する時だけブザーが鳴りイップスのスイッチがONになるピッチャー。サーブの時だけブザーが鳴りイップスのスイッチがNOになる卓球選手。また球場・体育館・競技場に行くだけでブザーが鳴りイップスのスイッチがONになる選手がいたり、家を出て球場・体育館・競技場に向かっている時に早々とブザーがなってしまう選手もいると思います

 一度の失敗では条件づけされなくても、次は失敗出来ないと強く思い再度失敗してしまう。気持ちは焦りパニックの状態でもう一度失敗してしまう。それは恐怖体験となり心にトラウマとして残ります。それと同時にその行為が条件づけされイップスを発動させるブザーが出来るのです。

 ボールを投げる時、リリースの瞬間にイップスが起きているのではなく、少なくとも投げる行為自体がイップスで、その行為が始まった時点から起きていると考えられます。リリースの瞬間が気になるのはよく分かりますが、貯まった運動エネルギーを最終的にボールに伝える瞬間がリリースに過ぎません。リリースの瞬間だけを見るのか、全体像を見るのかでイップス改善のアプローチは、まったく違うものになってくると思います。

2019年02月08日