イップス

 野球、ゴルフ、テニス、卓球、楽器の演奏、執筆活動、各種職業などいろいろな動作にイップスは、存在します。イップスとは、今まで習得し出来ていた動作が何かをきっかけに上手く出来なくなる。「意識に反して起こる過剰な動作抑制」です。基本的には、能力の高い人がなりやすいと言われます。
 現在、イップスという言葉が、一般にも知られるようになって来つつあります。まだ正しく理解されて行くには、時間がかかりそうです。イップスの嫌な感覚や苦しみは、なった人にしか分からず、周囲になかなか理解してもらえません。プロスポーツの世界でもイップスが原因で引退を余儀なくされるケースが多々あるようです。私自身、イップスは、センシティブな(敏感な・傷つきやすい)面があるので、気軽に使う言葉ではないと思っています。ある意味イップスとは、地獄のようなものです。自分の好きなこと、大切にしていることを奪うこともあります。厄介なところは、酷くなると、そのスポーツをやっている時だけに収まらず、普段の生活の中の動き・考え方にも影響が出て来ることがあります。

問診

 いろいろな資料や本のアンケートによると、野球経験者の1割から多いと4割近くがイップスを経験したことがあると回答されているようです。これは、私の主観になりますが、1割から4割という数字には、少し疑問を持ちます。それは、イップスという言葉が一般的になってきて過剰にイップスという言葉を使ったり、個人の思い込みが含まれていて、1割から4割という高い割合の数字が出たのではないかと思ってしまいます。

 境界線や、はっきりしたガイドラインや診断法が無いので難しいのですが、分類してみたいと思います。まず、①いわゆるスランプをイップスだと思っている人。なんちゃってイップス。このタイプは、練習や気分転換で立ち直れると思います。②イップスになる境界線があるとしたら片足入れて、すぐに抜け出せた人。なりかけイップス。1~2ヵ月で抜け出せた人。③イップスになって深みに嵌った人。完全イップス。私個人の見としては、③のタイプが本当のイップス患者だと思っています。
 ③のタイプは、自分で一生懸命練習しても、監督やコーチの指導を真面目に聞いても、ほとんど改善しないと思っています。一生ものになる可能性があるかも知れません。それどころか努力すればするほど症状は、悪化していきます。適切な治療が必要です。私は、イップスというものは、まず、ご自身の状態を受け入れ、前向きに適切な治療を行っていく事で克服できるものだと捉えています。
 これも私の主観になりますが、イップスは、もちろん運動に特徴が出ますが、顔つき、目の使い方、話し方、筋肉の着き方、思考にも特徴が出ます。

 調べてみると現在イップスに関していろいろな対策とられています。野球では、投げ方を変える(オーバースローからサイドスローに変えるなど)、ポジションを変える。ゴルフでは、1・2のタイミングで打つ、クラブの握り方を変える、グリップを太くする、パターでは、目を閉じて打つ、長尺パターを使って打つなどがあります。イップスの症状を出さない為の1つの方法では、あると思います。病院では、検査しても特に異常な検査結果は、出ないと思います。言い方は悪いですが、せいぜい、うつ状態・パニック症状など精神的なことを言われ薬が処方されるぐらいでしょう。
 でも、このような方法では、何とか、差し支えないようなプレーが出来たとしても心の満足は、あまり感じられないと思います。イップスの人に起きている心と体のズレみたいなものには、何の変化も起きません。イップスの改善で大切なことは、本来の自分の自然な動き、本来の自分の心を取り戻すことです。縺れた糸を無理やり解こうとしても解けません!かえって強く縺れてしまいます。縺れた糸の解き方があると思います。そして心と体のズレが取れた時、それこそがイップスを克服した!イップスに打ち勝った!ということです。そして心の満足を得られ、はじめて楽しみながらプレー出来るのだと思います。

 イップスを克服するには、いまさらながら心技体ということが大切だと私は思います。イップスは、それぞれなんらかの事柄が引き金になって心技体のバランスが崩れて起こるものだと思います。
 当院では、心・技・体の3本の糸があったとして、縺れ絡み合った3本の糸を的確に解いて行きます。➊心は、カウンセリングを行います。メンタルが弱い人がイップスになると思われているところがあると思いますが、それは、間違っています。メンタルの強い人などいません。人間のメンタルなんて、誰でも弱いところがあるものです。誰でもなる可能性のある病気です。強いメンタルとは、メンタルのコントロールが上手なことです。だから当院では、脳の仕組みを勉強し自分でしっかりメンタルのコントロールが出来るようにして行きます。
➋技は、運動指導を行います。動作抑制がかかりにくくなるコツを身に着けて頂きます。得てしてイップスの方は、動作抑制のかかりやすい動きを自らしていることが多いです。
➌体は、カイロプラクティック治療を行います。骨を矯正し神経の促通を促します。100%脳からの信号が手足に行き渡るようにしていきます。自律神経も整います。神経のバランスが良いと心にゆとりが生まれます。
 心技体の調和を図ることで、イップスを克服して行くプログラム(イップス改善コース)になります。今、イップスで悩まれている方が当院のホームページを開きこのページに辿り着き、イップスになったご自身を受け入れ前向きに治療に取り組む決心をして頂けると嬉しいです。そして力を合わせイップスを克服し楽しんで競技に打ち込み夢に向かって前向きに進んで行けるように心より願っています。