イップス研究報告①

 イップスとは、ネガティブな体験をしたことによって、心に出来たシコリやシミのような物が動きの邪魔をしてしまう。

 よくイップスを理解していない方は、イップスを治そうとして運動動作(ホーム)に手を加えようとします。それは大きな間違いです。体が思い通りに動かない状態があるから今の運動動作(ホーム)になっているのです。原因があって結果があります。目に見える運動動作(ホーム)は、結果に過ぎません。原因ではないのです。原因ではない運動動作(ホーム)をいじくると体は嫌がります。間違った試みは、ことごとくイップスに跳ね返されます。そして体が嫌がるとリバウンドが起きます。そうすると心のシコリは大きくなり、シミはもっと濃くなります。その結果、動きはさらに悪くなる。

 体と心のバランスを良くしてシコリを小さく、シミを薄くすることが出来れば、自然と運動動作(ホーム)は良くなります。最終的には、心のシコリやシミを消し去るのが目標です。後は、イップスの方は、運動をする時に押し寄せる不安感から過度な運動調節をすることが習慣付いているので、過度な運動調節をしない為のやり方を指導する。しっかりした方向性が分かっていれば、早い段階で良い結果として現れます。

 間違えてダメなことは、イップス治療は何かを付け加えたり何かを変えたりすることではなく、余分なものを消したり取り除くことです。そしてイップスになる前、何も意識しなくても運動が当たり前に出来ていた数カ月前・一年前・三年前・五年前の感覚に戻す。そうすることで本来の自分の動きを取り戻せます。

 

2018年09月08日